掌蹠膿疱症と漢方 手のひら足の裏の水疱
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掌蹠膿疱症と漢方  手のひらや足の裏の水疱や膿疱の漢方治療

掌蹠膿疱症と漢方

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、ある日突然に、手のひらや、足の裏に小さな水疱(すいほう)が出てきて、それらがだんだんと膿(うみ)をもった膿疱(のうほう)に変化します。そして皮膚が乾燥してはがれ落ちます。
一時は良くなったようになりますが、すぐに再発します。これを何度も繰り返すうちに、かゆみより、痛みを感じることが多くなります。
検査しても病原菌は見つかりません。
水虫とは異なり、小さな水疱や膿疱は指の股には出来ません。
全身に広がることはありません。
季節とも関係なく年中発生します。
掌蹠膿疱症は、他人には感染しません。
ひどくなると、骨や関節の痛みを伴います。


①掌蹠膿疱症の原因

掌蹠膿疱症の原因は、残念ながら、不明です。

慢性扁桃腺炎や蓄膿症や虫歯や慢性中耳炎など、身体の他の部位の炎症がある方に多く見られるため、それらの病気の原因菌のひとつである溶蓮菌などが出す毒素に対する生態反応とする説があります。
また、虫歯の治療に使用されるニッケルなどに対する金属アレルギーとする説もございます。
一般的にタバコを吸う方に多いことから、タバコの吸いすぎによる咽喉炎に対する生態反応とする説もございます。


②掌蹠膿疱症の西洋医学的治療法

掌蹠膿疱症に対する西洋医学的な治療法は、対称療法のみで、残念ながら根治することはできません。
一般的には、副腎皮質ステロイドホルモンを含有する軟膏やクリームを外用します。
また、皮膚の乾燥を防ぐために、ビタミンD3軟膏を外用します。
関節炎の治療には、レチノイド(ビタミンA様物質)の内服をします。

多くの方より、副腎皮質ステロイド剤の長期の使用に関する不安をお聞きしております。


③掌蹠膿疱症に対する漢方的考え方

漢方医薬学的には、掌蹠膿疱症は、自己免疫疾患のひとつだろうと考えられています。自己免疫疾患とは、身体の中の免疫システムが、何らかの原因により、自己と非自己の区別がつかなくなり、正常な細胞や組織を、本来は身体を守るべき免疫細胞が攻撃して、さまざまな症状が引き起こされる疾患のことをいいます。代表的な病気としては、バセドウ病(グレーヴス病)や、全身性エリテマトーデス(SLE)などが知られています。

免疫が異常なのは、漢方でいうところの「腎」が弱っているのが、原因だと考えられています。この腎が弱ってちゃんと働かない状態を「腎虚」といいます。

そして、腎虚を治す方法を「補腎」といいます。補腎の方法には、さまざまな方法がありますが、ここでは、掌蹠膿疱症に限って考えてみたいと思います。

掌蹠膿疱症の症状の発生部位は、「手の平と足の裏」です。漢方の「経絡」では、ここは、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中では、「肺」に位置します。
症状としては、「熱をもち、水疱を形成し乾燥して皮膚が剥がれ落ちます」
これは、典型的な漢方の「陰虚」の症状です。

そこで、掌蹠膿疱症の「本治」(漢方の根治法)としては、「肺腎陰虚」の体質の改善が必要だとわかります。

また、掌蹠膿疱症は、局所の熱がとても多く、そのため、膿(うみ)がでます。そして骨や関節にも症状が及びます。これは、陰虚の症状と於血(おけつ)が組み合わさって、「血熱」を生じたことによるものと考えられます。そのため、「標治」(漢方の局所療法)が大切になってきます。標治療法としては、局所の熱をさまして、炎症を鎮める「涼血法」が良いでしょう。


掌蹠膿疱症の約40%の人は、ビオチン(ビタミンH)不足だといわれており、積極的にビオチンの摂取が推奨されています。
漢方的にみると「陰虚」である人は、「脾虚」をともない、胃弱であり、胃炎を起こしやすく、せっかく摂ったビオチンが吸収されません。
漢方薬で「脾」(消化器の概念)を立て直して、普通の食事で、ビオチンが足りるようにするべきだと考えます。
これは、「脾は肺の母である」という漢方の考えに通じています。


④掌蹠膿疱症の漢方薬療法

Ⅰ.まずは、「肺腎陰虚」の体質を改善する漢方薬が必要です。肺と腎の陰虚の体質を根本から改善することで、掌蹠膿疱症の体質を治していきます。ただし、個人差がはげしい病気なので、一般的に長期の服用が必要です。

★肺腎陰虚の体質改善の代表的漢方薬

八仙丸
八仙丸

双料杞菊地黄丸
双料杞菊地黄丸


Ⅱ.次に患部の手のひらや、足の裏にたまっている熱を取り除く必要がございます。
たまっている「血熱」を取り除くために、お体に合った漢方薬を服用して「涼血法」を行うと良いでしょう。

★血熱の体質改善の代表的漢方薬

涼血清営顆粒
涼血清営顆粒



Ⅲ.陰虚の体質である掌蹠膿疱症の方は、一般的に消化器が弱い「脾虚」の方が多く、炎症がおきると、広がりやすいという体質をお持ちです。そのため、ビタミンなどの栄養素を普段の食事のみでは、吸収出来ておらず、そのため、病気になりやすいのです。そこで、消化器である「脾」を立て直す漢方薬(補脾薬)を服用する必要がある方が多いのです。また、漢方では「脾は肺の母である」というところから、肺の強化にも役立ちます。とりもなおさず、皮膚の強化になります。

★脾虚の体質改善の代表的漢方薬

星火健胃錠(香砂六君子製剤)
香砂六君子

麦味参顆粒
麦味参顆粒

星火健脾散
星火健脾散



●漢方薬をお飲みになる前に

漢方薬をお飲みになる前に必ず、専門家にご相談ください。飲み始めると、一時的に悪くなったようになることがございます。これは、ステロイド剤のリバウンドや、免疫が正常化して、皮膚が回復する過程で、皮膚を保護するために自然と、たくさんの滲出液が出てくることによるものが多いのです。


掌蹠膿疱症の漢方薬の服用例

◆61歳 男性 会社役員

掌蹠膿疱症、「手のひらの、ひどいカユミをなんとかしてほしい」、手のひらが赤むけて、膿疱が生じている。毎日、ステロイド軟膏を塗布しているが良くならない。
体質と症状を勘案して、涼血薬を中心に、一ヶ月分を服用いただいた。
カユミはほとんど消えたとのこと。赤みも膿(うみ)も薄らいでいた。
さらに一ヶ月分をお買い上げいただいた。


◆25歳 女性 公務員

掌蹠膿疱症で、一年半近く病院にかかっているが良くならない。てのひらが、真っ赤にむけている。カユミより痛みが強い。於血がある。涼血薬と補脾薬を中心に一ヶ月服用いただいた。痛みを緩和するために、漢方薬のぬり薬を併用した。さらに一ヶ月の漢方薬の使用で、痛みは半分以上とれた。その後三ヶ月で皮膚の症状もだいぶ落ち着いて、正常な皮膚が出来てきた。約一年の服用で完治した。


◆28歳 女性 主婦

掌蹠膿疱症である。二年ほど前より、左手からはじまって、今は、両手にひろがっている。両手ともボロボロにむけていて痛々しい。熱と膿(うみ)をもっている。
病院より、ステロイド剤の軟膏と抗アレルギー剤の内服薬を処方されている。
「熱感と痛みを何とかして欲しい」とのこと。
涼血薬を中心に三種類の漢方薬を一ヶ月間服用いただいた。
二ヶ月間服用いただいたところで、やっと、熱が取れてきた。さらに二ヶ月間服用いただいたところで、痛みがほとんどなくなった。その後約一年の服用で、皮膚の状態が良くなり完治した。


◎掌蹠膿疱症の漢方健康相談

漢方では、“皮膚は、内臓の鏡である”という教えがございます。これは、皮膚病は、単に、皮膚のみの症状ではなく、内臓の変調が原因で皮膚に異常が生じるということを教えているものです。

そのため、皮膚病は、ぬり薬をぬっただけでは、真に治らず、漢方薬を内服することによって、体質を改善して、内臓の変調を治すことによって、はじめて皮膚の異常である皮膚病を治すことが出来るいう教えです。

横浜市中区にある髙木漢方では、掌蹠膿疱症のことはもちろんのこと、お薬や健康に関することならなんでも、ご相談を承ります。
髙木漢方では、漢方医薬学や漢方薬や薬草に関する豊富な知識と経験を生かして、皆様のご相談を承っております。
お気軽にご来店ください。

髙木漢方 創業慶応二年 横浜の漢方健康病気相談専門店
神奈川県横浜市中区石川町5丁目185番地6
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( 石川町5丁目バス停の前、車橋南交差点の角です。)
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定休日  金曜(土曜と日曜は、営業しております。)

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(石川町駅南口改札前のタクシー利用で2分です。)

2) 横浜市営地下鉄 伊勢佐木長者町駅より徒歩8分。 改札前のエレベーターで地上に出て、伊勢佐木町とは反対方向に、打越の坂道(山元町、根岸森林公園方面)に向かって歩いて、車橋のたもとに当店はございます。

又は、駅改札前のエレベーターで地上に出て、目の前のバス停より「103根岸台」に乗って、2番目の「石川町5丁目」のバス停にて降車して、すぐ目の前です。

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