乾癬(かんせん)の漢方薬療法
T.乾癬とは
乾癬(かんせん)とは、その多くは、一生付き合うことになる、慢性に経過する皮膚病です。白人に多く、ヨーロッパで、皮膚病といえば、乾癬のことを指すくらい、有名な皮膚病です。
日本人では、約1千人に1人の割合で、発生しています。

一般的に、乾癬の症状は、赤みをもったカサカサと乾燥したウロコ状の皮膚が、どんどんと、はがれ落ち、時に激しいカユミを伴います。
乾癬は、他人には、うつりません。
乾癬の原因は、不明ですが、現在では、身体の免疫反応の異常であると考えられています。
乾癬に罹患する方は、年齢には関係なく発生し、肥満体または、過去に肥満であった方が多く、乾癬にかかりやすい遺伝子を持ち、高コレステロールや高中性脂肪などの脂質異常や、肝機能異常、ウイルスや細菌による感染、化学物質過敏症、過労、アレルギー体質などの素因があるのが特徴です。
正常な皮膚においては、表皮細胞と白血球が、サイトカインなどの神経伝達物質などを使って、上手に連絡をとりあって制御していますが、このバランスが、なんらかの理由で、くずれると、表皮細胞が、一方的に増殖し、早く脱落し始めます。
皮膚の一番外側には、角質層があり、正常な角質層は、毎日、垢(あか)となって落ち、約45日のサイクルで、入れ替わります。
乾癬になると、角質層は、わずか4日で、入れ替わろうとするのです。
そのため、乾癬になった皮膚は、無理がたたり、肥厚化して、カサカサし、ポロポロとむけていきます。
U.乾癬の種類
乾癬には、だいたい5つの種類があり、その中の、「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」が、乾癬罹患者の約九割を占めます。
尋常性乾癬の症状は、頭、肘頭(ちゅうとう)、膝頭(ひざがしら)、おしり、ふくらはぎ、背中などに、好発し、赤みのある皮疹が、一つ又は、いくつも増殖して融合し、皮膚がカサカサと乾燥し、ポロポロとはがれ落ちていきます。多くは、時に激しいカユミを伴います。
尋常性乾癬は、目と唇を除いて、皮膚のどこにでも発生しますが、爪に発生したものを爪乾癬ということもあり、爪は、デコボコになり、爪を切ることは、きわめて困難になります。
その他の特殊な乾癬としては、下記がございます。
- 全身が真っ赤になり、ウロコ状のかさつきを伴い、やけどをした後と同様に、皮膚が感染症にかかりやすくなっており、重症化しやすく時に命にかかわる。
「乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)」
- 手のひらや足の裏又は、全身に、赤い皮疹の上に、小さなウミの詰まった無菌の膿疱が多発する。「膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)」
- リウマチのような腫れと痛みのある関節症状をおこし、命にかかわるほど重篤になる。「関節性乾癬(かんせつせいかんせん)」
- 子供に多く、風邪を引いた後に、全身に小型の乾癬の紅疹が一度に発生する。
「滴状乾癬(てきじょうかんせん)」
V.乾癬に対する伊勢佐木町漢方堂の考え方
漢方薬が適応となるのは、尋常性乾癬です。乾癬は、とてもしつこく、治った後、数年から数十年後に、再発することもございます。
漢方では、「皮膚は、内臓の鏡である」といいます。内臓の不調は、皮膚に現れるとの、いにしえからの教えです。
皮膚病は、単に、外から、ぬり薬をぬっただけでは、なかなか思うように良くなりません。
身体の中から、体質を改善することによって、良くなります。
最初は、二週間から一ヶ月くらい、漢方薬を飲んでいただき、様子をみます。
お肌の調子が良いようでしたら、さらに、一ヶ月くらい、飲んでいただきます。
途中、漢方薬の処方が変わることもございます。
おおむね、三ヶ月から半年くらい、お飲みいただくと、少しずつ皮膚が正常化し、かなりのお肌の改善が見られることが多いものです。
お肌の改善がみられましたら、乾癬が、無くなるまで、漢方薬を続けられることをお勧めいたします。
W.伊勢佐木町漢方堂の漢方薬の服用例
@71才、女性
五年ほど前から、尋常性乾癬に罹患している。症状は、カユミがひどく、目のまわり、腕、脚、背中に紅疹ができている。
足の色は、黒褐色に変色している。
寝る前は、とくにカユミが強い。
お風呂に入ると楽になる。
漢方的には、肝胆系に湿熱があるようなので、それらを改善する漢方薬をお飲みいただいた。
三ヶ月の服用で、劇的に改善した。
カユミは、ほとんどなくなり、紅疹も小さくなり、皮膚の色も少しずつ正常化していった。
約一年の服用で、ほぼ完治した。
A65才、男性
六年ほど前から、尋常性乾癬に罹患している。症状は、背中と腕とおしりと足に紅疹があり、夜間カユミがひどくなり、無意識にかきむしり、起きてしまう。
皮膚が赤くただれがある。
ところどころ黒っぽく変色している。
漢方的には、腎陰虚と血熱の症状がでているので、それらを改善する漢方薬をお飲みいただいた。
三ヶ月の服用で、とても良くなった。
皮膚の赤みは、ほとんど取れた。
夜間のカユミも少なくなり、かきむしらなくなり、朝まで起きなくなった。
約一年の服用でほぼ完治した。
●伊勢佐木町漢方堂の乾癬の漢方健康相談

伊勢佐木町漢方堂では、乾癬をはじめとして、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、ニキビ、おでき、吹き出物、じんましん、湿疹などの皮膚のトラブルや、皮膚病の漢方薬療法を得意としております。
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